日本のものづくりはすばらしい。 特に現場がすばらしい。

4月から3交代で塩ビの工場に入り、研修がはじまった。ITはそこそこ詳しいが、化学は全くわからない。それでも同期の院生や博士課程の人たちは私の周りにいたチャラい大学生とちがってちゃんと勉強してて、大変ためになったというか、何言ってるかわからないかの際にいた。

毎日飲んで語ってた。仕事から設備から「なんで分子量は油のほうが圧倒的に大きいのに水に浮くんだ」とか(笑)。そのぐらいわけわかってなかった。

3交代では工場の皆様に大変可愛がってもらった。鳥取の会社の保養所にもつれていってくださった。大学生の研修なて3ヶ月たったら本社とか行ってしまうのでまともに教えてくれることはなかった(当然なのだが)、私はペンキ塗りとかくさ抜きを毎日やっていた。

5Sなんて言葉もこのとき覚えた。そしてペンキはサビを防止するために大事なことだったり、工場を回りながら危険なところや危ないところがあれば、その提案をした。たとえば触媒の冷蔵庫は滑りやすいからテープなどはったほうがいいとか、パイプが出っ張ってて頭をぶつけそうだからコロしたほうがいいなどなど。

大学生のぽっとでた私の提案はちゃんと真面目に議論をされた、そして本当にテープをはったりそのパイプを消したりした。どんなに素人の馬鹿げた意見でも、工場ではちゃんと検討された。これがQCサークルやQCストーリーで現場が安全と品質を真剣に考えてる姿勢なのだと、本当に感心させられた。

そして工場ではISOにそったマニュアルがバインダーに保管されていた。さっぱりわからなかいのだが、何冊か見てみると、なんと鉛筆で手書きになっていた。

そこにはレスピと呼ばれる塩ビの製品をつくるための調合や操作方法が書いてあった。温度はこうしたらいい、可塑剤はこうやってまいたほうがいい、などなど追記されたりが全部手書きで残っていた。

塩ビは当時50年まえぐらいから作られ始めていた。だから古いものは50年ぐらい前のマニュアルも残っているのだった。

そして怒られたことも会った。工場で安全標語を募集していたので私もひとつつくった。

危険物と女性の扱いは優しくあわてずていねいに

バカ新卒だったわたし

とかぐらいの感じだったと思う。

めちゃめちゃ怒られた(笑)。
副班長に標語放り投げられてすぐ作り直せと怒られた。

標語、バカにしてたんですよね。たしかに。なんか「注意一秒怪我一生」とか。

でも現場で爆発物のとなりで日頃仕事してて、去年も工場内で爆発事故が会って、1人障害者になってるのに、わたし、大変ひどいことしてしまったのでした。ほんとごめんなさない。

ということで、私がPDCAとウェブ解析で言い始めるのはこのころの経験からである。

日本のものづくりはすばらしい。
特に現場がすばらしい。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.