遺伝の特徴は変えられないことで救われたこと

自分の子供が、自分と同じような欠点や間違いをすると、親として助けたいと思うのは当然だ。自分が過去に経験した同じ苦労を子供がすることはない、こうするといい、ああするといい、とアドバイスしたくなる。

私もそうだった。しかし私が本を書くときに編集者が紹介してくれた本で救われたと思った。

橘玲さんの著書「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」は私がちょうど本を書き始めた2010年に出版された本だった。

ニッチなマーケットで自分のビジネスをはじめることがこれからの世の中で大事だということがこの本のメインイシューだ。

今回はそのことではなく、前半の話、遺伝の話を読んだときの経験を紹介したい。

遺伝の特徴は変えられないことを受け入れる

前半では自己啓発で自分は変わるということへの反論として遺伝の影響の強さを紹介している。

遠く離れた一卵性双生児が、全く接点がなかったのに、趣味趣向から人生経験まで似ていたことなどを例にあげながら、自己啓発で自分が変わるということは間違いで、人間は先天的な遺伝的素養をほとんど変えられない、という話をしている。

私はマニアックな性格で、テーブルトークRPGやコンピューターが好きで、そのせいもあり、学校でもいじめられたりした。字が汚くてそのせいで高校浪人もしている。

息子も負けず劣らず字が汚く、そして電車が好き、それも地下鉄発車サイン音が好きで、発車サイン音をBGMに勉強している。

私と同じような苦労をさせたくない、そう思っていた。だから自分の失敗を伝えて字を綺麗に書いたほうがいい、とか散々アドバイスしてきたのだが、それは変えられないことかもしれないと、この本で気付いた。

彼は私の遺伝子を受け継いでいて、良いことも悪いことも引き継いでいる。だからそれは治すのでなく、受け入れるしかない。

言っても分からないことが経験で変わる

だから彼が、マニアックなキャラクターであることも変えるのではなく受け入れることにした。字が綺麗にかけない、というより書くことに興味がわかないということも受け入れることにした。

小学校受験はそのためか、いい結果にならなかったが、なぜ良くなかったか考える機会になれば良い。高校では受験で字を書かない学校だってある。いじめがあるなら学校だって行かなくていいし、N高みたいないい学校もある。色々意見があるだろうが、N高の学生がYoutubeで英語を勉強してサイスバイサウスウェストで英語でプレゼンしてしまう学生がいる。いままでの学歴なんて多分僕らの子供がおとなになったら役に立たない。

無理することはない。学校だって生活だって、人と同じである必要はない。

なんて言って、字をきれいに書けなくても、息子をそのままにしていた。

わからないものだ。

なんてことを言ってたら息子は字を綺麗に書き始めた。あるとき、きれいに書いたらテストも点数が高く、すごい褒められたのだという。字を綺麗に書きたくないからって乱暴に書いて不当な評価を得るなんて損だと思ったのだそうだ。

それは親から言われても分からないことで、自分で経験したから分かることなのかもしれない。

私の失敗をもとにアドバイスをすることはストレスを与えることにしかならないと最近思っている。いろいろな経験をする機会をつくって自分で考えて変えてもらうしかないんだろうな、と今は思っている。

親は感情を共感すること

私達親は本当のところ、子供が成功するかどうかわからないと思っている。ただひどい失敗をしてほしくないだけだ。

親も子供を直そう、学校も子供を直そうとして子供本人がどこにもできないことを受け入れてもらえない状況の方が危険ではないだろうか。

私達ができることは、失敗したり、嫌な経験をしたときに子供が逃げられる存在であること。その残念だったり、嫌な気持ちを、本人といっしょに理解して受け入れることができる存在であることのほうが大事だと思う。

息子も14歳になり、多感な年頃になった。そんな小学校のころとちがって複雑な気持ちを持ち始めるころだ。だから接したいときに接して、伝えたいときに伝えることのできるストレスのない関係でいたいな、と思う。

まとめ

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」以外にも橘玲さんの著作は、昔はお金に関する本が多かったが、最近は社会問題まで多岐に渡る執筆をしている。

リベラル、人種についても切り込んでいる。中立的な立場でそれぞれの問題を話しているので、他の書籍も読んでみると良いと思う。

中国を動かすのは秘密結社だとは思わないけど。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.