「純広」とはガラケー的単語だったのか

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このブログのタイトルにも参考にしているターヘルアナトミア。
前田良沢と杉田玄白か長年の苦労をして翻訳したが、困難だった。そもそも東洋医学では単語すらなかった言葉を、彼らは必要に迫られ、そして多くの言葉を発明した。

私もウェブ解析を通して英語との壁を感じることがたくさんある。

また一つ壁を感じた。

「純広」という言葉である

純広告。ポータルサイトに掲載するバナー広告などのことで、ごく初期の頃からある掲載方法だ。
露出回数で保証をする、インプレッション保証などもあるが、基本的には決められた枠に一定期間掲載される。
新聞や雑誌などに近い掲載方法の広告だ。

日本語で言うこの言葉、純広 英語とか検索するとpure ads, pure advertisingというのが多かった。

でもさ、

ほんとそれか?ピュアなのか(笑)?

今度はpure advertisingで調べるとほとんど日本語のサイトが出てくる。純広の英訳として解説があるが、pure adsという言葉そのものの英語での説明は、そういう広告代理店の社名でしか見当たらない。

画像検索をすると、pure adは無添加を売りにするビールとか化粧品とかでてくる

純広はピュアでオーガニックで無添加?
んなわけない(笑)。

純広=display ad?

display adという意見もあった。しかしこれはYahooブラパネと比較してGoogleだとdisplay adのこと、という説明で使われている。display adは一般的にはアドテクノロジーを用いて登録しているアドネットワークに登録したウェブサイト群に掲載される広告。純広と違いオーディエンスやコンテンツに合わせて最適化される。

ではbrand panel adsは?

Yahooの検索エンジンでトップに掲載される広告を、ブランドパネル広告という。ブラパネなんて略することもある。

でも残念ながらそんな”Brand pane ads”みたいな言い方はどこにもなかった。

Banner adsでいいのかな?

banner adという言い方もあるいみ純広を指すともいうが、そもそもはバナーとは看板のことであり、画像広告を指す(Flashみたいな動画でもいい)。

だからテキストの純広は当てはまらない。ものによってはbanner adsでもいいがどれでも使える、というものでもない。

このように純広の完璧な対訳はない。多分、Display adsかbanner adsかtext adsを使い分ける、というのが正解だろう・・・と思ったが最も近い言葉を

アンダーワークスの田島社長から教えてもらうことができた。

non-programmatic ads

なんとも長ったらしい翻訳だ。programmatic adsはプログラムで制御された広告、nonということは制御されていないってこと。

なんとも長ったらしい翻訳だと最初思った。
でもこれが最も正しいと悟った。

そうか純広は「ガラケー」なのかと。

スマホが出るまで、ケータイをガラケーという人はいなかった。スマホができてはじめてガラケーという言葉が生まれた。

多分純広も同じ。運用型広告ができたから、純広という言葉が生まれた。それまではインターネット広告とか呼んでたのだろう。

多分、もっとも近い言葉はnon-programmatic adsだと今は思ってる。でもそれも長いので、banner adsとかでもいい場合もあるだろう。運用型広告との対比であれば、この言葉が最もしっくりくるとおもう。

このように言葉とは面白く、難しい。
まだ気力が続く限り格闘してみようと思う。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.