堺屋太一さんから学んだコミュニティの目的の立て方

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最初に私が思い出すのは「インパク」だ。

インターネット博覧会は経済企画庁長官だった堺屋太一さんの発案のもと1年間行われた。当時としてはかなりチャレンジな取り組みだったと思う。実は少しだけ私たちも関わったが、ほとんどが大手企業の出展で、できたばっかりの企業だった私たちにほとんどメリットはなかった。国の予算をかけて、各日本のハイテク企業がいろいろ実験的な取り組みもしていた。でもブロードバンド前の取り組みだったので、いろいろ難しいこともあったのだろうと思う。

可能ならあの頃の作品、どこかにアップされたら面白いのに

私は1冊本を紹介したい。「組織の盛衰」である

私が会社を経営するときに参考になったが、それよりウェブ解析士のようなコミュニティを構築するときの方が役立った。一読をお勧めしたい。

組織には機能体と共同体があり、それぞれ目的が違うため特性が大きく異なる。機能体は軍隊や消防隊のように、組織外に目的を持つ。共同体は国や自治体のようにその存在そのもの、組織内に目的を持つ。

コミュニティや組織を作るときは機能体を目指すと良い。共同体=組織に参加している人にメリットを与えることを目的とすると、満足度を高めることが相当難しい。国や自治体がそのいい例だが、一人一人すべてのサービスを受けることは難しく、不満につながりやすい。

機能体であれば、その組織は組織外に貢献することが求められ、その目的に賛同しているので、コミュニティ参加者のメリットが高いか低いかが問題ではなくなる。組織が貢献するためにコミュニティ参加者も貢献が求められる。

例えば羊齧協会のあり方の話も私は機能体としての存在を前面に出すことをお勧めした。本来はごはんを食べる会だから共同体になるのだが、参加者満足が目的になると、全員を満足させることになるから終わりがなくなる。

皆様も何かコミュニティを作るときはコミュニティ外に目的を持つようお勧めしたい。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.