シンギュラリティは来るか?

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技術的転移点という未来学の用語で、人工知能が主役として仕事や生活が劇的に変わる点を指す。

来ない、来る、どっちもあるが正直分からない。何がシンギュラリティになるかわからないからだ。私は人工知能の定義から疑問があるので、電卓だって原爆作ったし劇的に変えたろう、なんて思う。

まあITやウェブの分野だとするなら、シンギュラリティは私はすでに来てる、何度も来てる、これからも来る、と思う。

スマートフォン、EC、検索エンジン、ソーシャルメディア、はシンギュラリティですでに小さな国家転覆ぐらいの効果はある。それを超えない技術がおきないと考えるほうが楽観的だと思う。

Siriで話せば答えるスマートフォン
協調フィルタリングで商品を進めるアマゾン
ユーザの検索満足度を最大限に高める検索エンジン
世間一般常識のように、個人向けにチューイングしたタイムラインを見せるSNS

もう魔術のような最適化になっていると思う。ただ全業種で大きな影響を与えるような、それも職を失うような技術革新はSFでも1つを除いて考えにくい。

例えば弁護士が不要になるとか、翻訳者がいらなくなるとか、業種特化型では起きるかもしれないが、それはいままでの形の職務がなくなるのであって、時代に適合して職務を変えることができればなくなることはないだろう。

そして非テクノロジー業界への危機的な言い方をする者ものも多いが、テクノロジーに近い方が技術革新のインパクトがでかい。ウェブ解析だって明日、cookieが使えなくなってもおかしくはない。cookieなんて一般から見たらそんなのあったのぐらいの技術だが、googleの収益の根本を失いかねない技術革新であったりする。

唯一社会を根本から変えるとすれば誰でも生活に困らない社会だ。ベーシックインカムで収入が低くい人が人生や健康をリスクに晒さなくても生きていける社会はもうすぐ実現するかもしれない。そういう人たちは最低限の生活を保証されながら生きていけるようになるだろう。

働かなくても生きていける社会。そうすると、生きてくため、死なないために仕事を強いる恐怖による仕事は機能しなくなる。合わせて、生きてくため、死なないためのサービスも衰退するだろう。

仕事は消えない。より良い社会にするとか、より自分らしい生き方をするために働くことは消えない。シンギュラリティの本質が、働くことの意味なら恐れることではなく、どう働くかワクワクしていればいいと思う。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.