非上場企業の経営状態を知ることの重要性
非上場企業の経営状態を知ることは一般企業で取引をするときに大事なポイントです。与信の審査をするときにも経営状態や反社会性力との関わりなどを聞く必要があります。また経営者の性格や資質によっても大きく経営状態が変わることもあります。
このような中小企業の調査では専門の会社があります。商工リサーチや帝国データバンクなどです。これらの専門の企業は依頼を受けると個別にその会社にアポイントをとってその会社の決算状況やビジネスの状況を聞きに行ってくれます。この調査は内容や精度によりますが一般的な調査では2-3万円かかります。
しかし、すでに調査した過去のデータであれば、格安で入手できるサービスもあります。
例えば、 有料のサービスですが、COSMOSNETを使うと、過去の調査があるデータを格安で入手できます。そこで、これからある程度新規に顧客との取引が発生するならば、調査を依頼する前に過去に調査した履歴があるか確認しておきましょう。ただし、その情報は当然ながら最新の決算が反映されているわけではないので注意が必要です。
データだけでなく人に聞くことも大事
私は以前毎年与信管理担当として年間100社以上の取引先の経営状態の調査をしていました。初めての経験で、最初調査票の点数と会社で決められた取引基準で機械的に判断していました。しかし、よく考えると万が一取引途中で企業が倒産したり、取引していた会社が反社会勢力だったりすれば大きな問題になります。そこで調査票の点数だけではなく、その調査内容を読むようになりました。
読んでみると、ウェブサイトを見ればわかるレベルであれば調査票に書いてありますが、本当に知りたい、この会社の経営の危険性とか、取引先で問題はないかなどはどこにも書いていません。
そこで毎回電話で聞くようになりました。聞くとわかるのですが調査員もこの調査票がどう見られるか分からないので、あまり書いたら問題になりそうなことや、確信がもてないことは文面に残せないのです。たとえば入口に入ったときどう感じたとか、事務員さんへの対応がどうかとか、出自や差別につながることとかです。たとえば社長の性格で「豪放磊落」と書いてあったときは、それはかなり問題のある性格のときに選ばれる、などもその時教えてもらいました。
そして何度か危険な取引を避けることができました。点数が知りたければインターネットで手に入ります。しかし、その会社の本当の危険性や課題となると、人に聞くのが大事だということは覚えておいてもいいかもしれません。
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