海外を目指した理由は世界を支援するため
ウェブ解析士協会は6年ぐらい前から海外でも講座を行っている。英語、日本語でカリキュラムを作り、講師を育て、ビデオを作成し、様々なイベントに出展し内容を説明したり、アライアンスを組んで展開を模索している。
まだ順調とは言えない。事業としてまだ黒字化する目処もまだ先の状態だ。
もともと2010年にウェブ解析をカリキュラムにしたときから海外へ展開することは言っていた。30代後半で英語が全く話せない私が言っても、冗談にしかならなかったが。
ウェブ解析はウェブを利用しようとする中小企業にとって必要な知識だ。しかし中小企業がビジネスで成果につなげられるようなリアリティのあるウェブ解析の活用はコンテンツがないだろう。だから世界中の中小企業が成功するために、私達のノウハウはかならず役に立つ。
そしてコロナ禍でそのタイミングは加速した。いま飲食店宿泊業B2Bの対法人企業もウェブ解析が必須になった。もう少し早く伝えられればよかったのだけど。
さてそんな思いもあって、思い切って2014年にSoft Bank Technologyに会社を売却、当時アメリカのverisonを買収しアメリカに展開するときでグループ全体が海外に向かっていて阿多社長も海外への舵取りをしていたときだった。
なぜシンガポールをベースにした3つの理由
海外に行った人にも国内の人にも一番聞かれるのはこのことだろう。海外といっても世界中に国はあり、税制、ビジネスチャンス、参入容易制などから選ぶことになる。
3つの理由からシンガポールにした
1.まず英語が通じるところ
私達が戦うウェブ解析は、マーケティングの一つであり、マーケティングは欧米が本流だ。その中で認められないと結局広がらない可能性が高いので英語が軸になると自明で思った。そしてどんなに優れた書籍をつくっても中国語、スペイン語はすぐ私が対応することが不可能だ。
2.国外展開が容易なところ
私がやりたいことは、海外で0からスタートさせるのではなく、すでに国内で広がってるビジネスをもとに海外で広げることである。広げるの主語は受講者でも講座でも講師でもない、支援できる中小企業だ。
その視点でいけば人口が多いかどうか、マーケットが大きいなんて視点ではない。価格の高低やマーケットの大小に関わらず世界に行きやすい国を選ぶことだった。
シンガポールは米国以外の国であれば日本とほぼ同じぐらい世界に門戸が開かれている。そして他の国比べ合理的であり、論理的。外国人だから当然のハンディキャップはあるが、税制も設立条件も明文化されてクリアーである。
これは後で知ったことだが、アジアの他の地域で立ち上げたビジネスでも法人の主体はシンガポールにあることは本当に多い。理由はアジアの他の国々では法律がまだ未整備なことも多く、係争になったときにインドネシアやフィリピンの場合は対応が困難だと言われている(詳細は弁護士ではないから知らないが、法律が古いまま判例や商習慣で判決が出るケースが多く、条文を理解しただけでは対応できないと聞く)。
3. 他の国から見てマーケティングの資格として価値を感じること
これが一番大事で、日本ではない国で、他の国、特にアジアの国々から文化や経済や技術的に先進国であることがあった。できれば日本にエンゲージメントが無い国でもエンゲージメントがある国なら相互補完になる。その意味で最も優れた国は中国。でも知れば知るほど難しすぎる(笑)。他の国もすぐれたマーケターはいるが、その国以外で評価されにくいと感じる。
アジアの全部の国をちゃんと調べきっていないかもしれないが、それらの消去法を考えるとシンガポールとなった。
もちろん、シンガポールはすべての人にオススメではない。物価、特に家賃や人件費も高いし、ビジネスを続ける難しさもある。私達の仕事がライセンスという知的財産中心で、在庫も設備投資も必要がないことはシンガポールを選んだ理由の一つだと言える。