ゲームに欠かせない重要な人を動かすことができた 有田焼はこれだった

さて、有田町をテーマにゲームを作るという方向は固まった。ノベルゲームなら開発コストも手が届かない範囲ではない。ティラノビルダーをつかえばスクラッチぐらいの手軽さでゲームが作れそうだ。しかし一番重要な要素がまだなかった。コンテンツだ。どんなに素晴らしい素材がってすぐれたゲーム開発ソフトがあっても、ノベルゲームはシナリオが命。シナリオがダメだったら全部だめだ。

宇宙から届いた焼き物X」のシナリオをお願いするならこの人しかいない、と思ってる人はいた。しかしどうしたら書いてただけるかが課題だった。

沈黙のWebマーケティング」の作者松尾茂起さん。彼がベストだとは思った。書籍はベストセラーで、この業界でも数少ないマンガ風の小説のような形態をとっている。本人もSEOで実績は豊富だし、デジタルマーケティングに関する知見も深い。この業界を知っていてシナリオが書ける人として彼がベストだった。

しかし松尾さんは有田町と何のご縁もない。大変人気だし文賢のような優れたソリューションも提供している。このような話を聞いてくれるか。

もちろん彼は気難しいタイプではなく、気さくに話は聞いてくれた。
そこでお土産をもっていった。それがこれだ。

カッップヌードル専用のフタの有田焼である(笑)お湯を注いでからピロッと紙の蓋があいてしまうのを防いでくれるのだ。
よーくみると、そこかしこにウィットの富んだジョークもはいっている。

これは2019年5月何も知らずに陶器市に参加したとき、松尾町長がとっておきのお土産としてわざわざくださったものだった。100万人以上来る有田陶器市の真っ最中の極めて忙しいはずなのに、わざわざ私のためにこんな思い出に残るプレゼントをいただけるとは、本当に驚きだった。

日本中の地域活性化、中小企業の活性化に尽力している山下さんが「有田町の松尾町長は大変面白い方だ」と言うのもよく分かる。

そう、このときいただいた有田焼はここでつかおうと、松尾さんにプレゼントした。そして「一度有田町、見に行きませんか?」とお誘いした。
山下さんと一緒に、松尾町長をご紹介したかったのだ。

このカップヌードルの蓋の有田焼は、松尾さんがすごい気に入ってくださった。すぐ写メとってSNSにあげてくれた。そして訪問も快諾いただきまずは有田町をみてもらおうということになった。

僕としては、相当のチャレンジだった。しかし彼以外にこのプロジェクトを任せられる人はいなかった。そしてカップラーメンの蓋の有田焼がその思いを実現に近づけてくれた。

焼き物で人を動かすなんて、戦国時代の武将に茶器をプレゼントするみたいな話で、面白いよね(笑)

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.