Ghost of Tsushima が素敵すぎてキュンキュンしてしまう

Ghost of Tushimaを先日クリスマスイブにはじめてプレイした。数年ぶりに午前1時までずっとプレイしていた。とても素敵なので紹介したい。

このゲーム、日本を舞台にした海外のSucker Punch Productionsの開発したゲーム。日本の企業が開発していないゲームなのに、日本的なところが、とても素敵なのだ。

素敵な理由は3つある。

  1. 日本以上に日本的なストーリー
  2. 日本以上に日本的な画像
  3. 日本以上に日本的なイベント

日本以上に日本的なストーリー

このゲームは鎌倉時代の対馬が舞台。元寇でモンゴル軍に攻め入られた対馬島がベースになっている。
史実ではモンゴル軍4万の軍勢に対して対馬島は80人ぐらいだったようだ。
モンゴル軍の「てつはう」や、組織的な戦法で対馬の侍は全く歯が立たなかったようだ。その後島民も残酷な仕打ちがあったように他のブログでは紹介されている。
この史実はゲームのスタートで再現されている。ゲームをスタートすると、いきなり全軍で突撃するところから始まる。そして(操作方法も分からぬまま)、どんどん味方は死んでいって、まったく戦にならないで全滅で終わる。

終わったはずのところで、主人公が目を覚ます。そしていきなり大ボスと決闘して、これまた死ぬ。死んでるはずだが、なぜか生きてる。

そしてストーリーがはじまる。

蒙古軍によって蹂躙された対馬を、サムライの力で民を助け、最新鋭の百戦錬磨のモンゴル軍を打ち払うために立ち上がる。すべて架空のストーリーだ。本当は全く歯が立たなかった戦いだった。ストーリーで鎌倉に援軍を求めれば必ず勝てると主人公は信じているが、それはありえない。その後元寇で対馬どころか九州も大変になっているのだから。

その全く一方的な悲惨だった史実に対しての架空のストーリーがGhost of Tsushimaだ。

せつないなぁと思ってしまう。

ここにあるのは全部架空、アナザーストーリーなのだ。

本当は武士としてちゃんと戦いたかったし、島民も幸せにしたかったろう・・・そんなありもしないストーリーがどんどん進んでいく。

私は勝手に源平討魔伝を思い出していた。源氏によって滅亡させられた平家の侍、平景清が、蘇って三種の神器を集めて弁慶、義経、そして頼朝を倒しに行く。黄泉の魑魅魍魎を倒して、壇ノ浦から蘇って鎌倉に向かって進む。

これも切ない話だと思ってた。

日本には能、という芸能があるが(ちゃんと見たことはないのだが)、ほとんどの能は、歴史の史実では亡くなった主人公が亡霊となって過去を振り返って舞うものだ。これだって切ないんだろうなぁと思う。

日本人のつくった日本のゲームのストーリーより日本的だと思わないかい?

2.日本以上に日本的な画像

四季折々の風景、神社や温泉などなど、日本的な素敵な要素がつまりまくっている。地図も浮世絵風(ちょっと江戸時代っぽいけど)の絵を参考にして目的地を探す。民家も、菅笠もリアルにボロっちい(笑)。

そしてオープニングに見る一面のすすき野を馬で走る風景。すこし派手目ではあるが日本の美しい風景を満喫できる。相当当時の民家や建物にはこだわって調べたんじゃないかと思う。

そして何より私をドキドキさせたのは画面モード。

「KUROSAWA MODE」があって、これにすると白黒の画面になる。音声だって、ちょっと割れた、昔の活動写真のような音響に変わる。
黒澤明監督の名作、七人の侍、隠し砦の三悪人みたいな日本映画全盛期の白黒の画像の中でゲームができる。

そして序盤の練習シーンでは楓の落ち葉舞い散るなかで木刀で練習したり、天狗との戦いではカラスが飛び回る中で決闘をしたり。横で見てても美しいなぁと思う。

そして決闘シーンでは、時代劇のようなカメラアングルでの映像がたくさんあって、鯉口を切って、真剣を抜く様など、もう製作者本当に日本の時代劇好きだったんだろうなぁと思ってしまう。そして古の日本の時代劇で先人たちが研究したカメラアングルや演出は今ゲームをする世界中の人達に臨場感を生んでいる。そのことを具現化している。

かつてこんな、日本人がキュンキュンするぐらい日本的な映像のゲームあったんだろうか?と思う。

3. 日本以上に日本的なイベント

基本的には、剣術バトルゲームの流れで、敵を倒していくゲームなのだが、忍者みたいな隠密行為で戦ったり、正々堂々と決闘したりといろんな要素がはいっている。

だんだん隠密行動が得意になってくると、後ろから暗殺する、みたいなメタルギアソリッドや忍道的なアクションが得意になっていってしまう。

しかし彼はサムライ、時々昔のシーンに戻り、武士は正々堂々と戦わなければいけない、と躾られるシーンが入る。でも多勢に無勢、どうしても隠密行動や暗殺が上手になってしまう主人公。

時代劇の主人公はみんなそんな矛盾があった。戦いたくないけど戦わなければいけないとか、本当は暗殺なんてやりたくないけど、やらなきゃいけないとか。そんな日本的なイベントがたくさん作られている。

そのような、誉ということばがたくさんでてくるのだけど、全体の行動が侍リスペクトで作られてるのもすばらしい。モンゴル人も「なんとかかんとかサムライ!」と言って攻撃してくる。

さらにだ、突然座って和歌を読んだりするのだ。景色を選んで和歌を詠むとか、尺八を奏でたりするのだ。いったいどこまで日本のこと分かってるんだろうと驚いてしまう。稲荷神社を狐追いかけて見つけたり、神社お参りしたり、秘湯見つけて入って、ゆったりしながら過去を振り返ったりりする。

秘湯でワクテカする外国人居るのかな?日本人ならみんな分かる感覚だけど、再現されてて、驚くほかない。

ゲームを買ったのは、別な理由からだったが…

もともとこのゲームを買ったのは、沖縄で出会った方が、山猫を見に対馬に行ったと聞いて、猫と鉄道好きな息子に旅程を計画させたいと思ったのがきっかけ。そしたらGhost of Tsushimaというゲームが有ると知り、スマホゲームかな?とおもったらPS4だった。

じゃ一番下の女の子にやってみたら?と買ったらなんとR20(笑)。親見てる前でやるからいいよねと思ってプレイしてもらってた。そして本人曰く、中国のドラマのほうが100倍残酷だと言うことです(笑)。たしかに流血シーンは生々しいので、子供にやらせたくないと思う親もいると思う。実際チャンバラと血が嫌いな息子は全く受け付けない。

私から見るとそれ以上に素敵は風景と素敵な描写がたくさんあった。私自身がやりたいと思って、やっとやってみたのが昨日。

最近は記事を公開していなくて、自分向けの非公開の日時管理ばかりあげてるのだけど、これは紹介しておきたいとおもったので公開する。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.