ウェブ解析士名簿の実績登録、そのルーツとなるKTモデル由来を書いておく。よく関係者がググるが、説明がどこにもないと嘆く声を聞く。ウェブ解析士協会の過程で生まれた言葉で、一般名詞でも英語でもないので無理も無いのでここに書いておく。
まずはKモデルからはじまった
もともとウェブ解析ができればウェブ解析士(英語名Web Analytics Consultant)として事業の正解に貢献できるかというとそうではない。ウェブ解析はユーザーを理解し、事業に貢献する必要なスキルではあるが、それだけでは十分ではないし、実際ウェブ解析士として活躍する人の多くは、メインとなるスキルを持っている。
ウェブ解析士がコンサルタントとして仕事をするために、必要なスキルセットを棚卸しし、今後のカリキュラムや教育プログラムで単位制にならないか?というアイデアが生まれた。このアイデアは2019年現在ウェブ解析士協会の理事もしている亀井耕二さんが発案者だ。
このアイデアは、彼が企画する「自社サイトをコストで終わらせないために」というウェブ解析士による事例紹介セミナーと、セミナー内容をまとめたKindle本の1つに掲載している。「ウェブ解析士 提案の実践法則 すみれプロジェクト」の巻末に掲載されいてる。これがすべてのルーツとなる「Kモデル」である。
Kモデルの改良版がKTモデル
その後ウェブ解析士協会事務局で、このKモデルに基づくスキルの記載ができるようにしようとした。そこで事務局側でサイトを構築したが、中々思い通りのものが作れなかった。
いざKモデルを見ていると、各スキル項目として実務で考えると細かすぎたり、項目が含む内容が大きすぎて難しいといったケースが散見された。
もともと教育カリキュラムの分類として作ったもので、個人のスキル内容を記載する内容ではない、ということもあり無理もなかった。
そこで、Kモデルの基本的な考えを踏襲しつつ、ウェブに携わる人達のスキルを全部記載できるようにならないか?と思い私が項目の統廃合や追記を行った。
これが「KTモデル」である。
亀井のKに対して俊章のTで、なぜ名字に対して名前なの?というのは後で思ったけど、もうこの言葉で通じてしまったのでこのままにしておいてる(笑)。
KTモデルを元にウェブ解析士名簿実績登録が生まれ、このKTモデルをもとに実績登録のシステム開発を行った。
目的は、企業とのマッチングだ。
事業でウェブを活用したい一般企業がウェブ解析士を探しやすくすること、
ウェブ解析士を事務局が紹介するときも最適な人を紹介できるようにすることだ。
ウェブ解析士に合格しても、その人が実務でどのように貢献できるかは分からない。それぞれウェブ解析の経験以外も含めトータルでのスキルレベルが(少なくとも自己申告レベルででも)分からないと、仕事をお願いすることもできない。
そして「実務で貢献するウェブ解析士」を企業に紹介するときに、大事な要素は「業界の経験」だと私は感じている。データ解析の経験が深いとか、ウェブマーケティングで高い実績を持っているか、ということも大事だが、それ以上に重要なのは、業界の知識や経験を持っていることである。
だからウェブ解析士名簿には必須項目として「業界」がある。農業、鉱業など、日本産業分類に沿って、業界を選んだ上でスキルを登録できるようにしてある。
さらに各スキル項目について、習熟度として「アシスタントができる」から「教育ができる」まで分類をした。
そして仕事として「受注側」「発注側」の分類ができるようにした。
さらにその仕事は現在積極的に受けているか、受けていないかを選べる。仕事によっては「熟練しているが、積極的に受注してない」こともあるからだ。
このスキルレベルをウェブ解析士の名簿に掲載することで、一般企業や事務局が適切なウェブ解析士を選べるようにできるし、ウェブ解析士も自分の実力を適切に表現できるようになると思っている。
またウェブ解析士には実績カードを発行するため、ここに掲載した実績がカードとなって手元に届く。QRコードでそれぞれの名簿ページにも届くようになる。
このようなとりくみが少しでも多くの企業にとってウェブの利用で適切な専門家を選べる仕組みになってくれればと願っている。