FAQについて考えるセッションに登壇しました

8/28テクニカルコミュニケーター協会のパネルディスカッションで、お客様も作る側もうれしいFAQについて登壇した。

サポートサイトのKPIとして長年サポートサイトのことを語ってきたのに、その本格的な研究をする機会がなかったが、今回大手メーカーのFAQの担当者とじっくり話す機会があって私が気付いていなかったことをいくつも気づくことができた。

そもそもサポートサイトといってもFAQとマニュアルでは180度違う。前者はユーザーの質問に対して答えていくのに対し、マニュアルは製造メーカーとしての説明責任にもとづく体系的な内容だ。作り方も、メンテナンスも全く違う。そのことをまず念頭に置かなければいけない。

FAQのメンテナンスコスト

一つ気をつけなければいけないことはFAQのメンテナンスコストである。楽器のようにそうそう変わらないものは別として、精密機器やソフトウェアは周辺機器やOSのアップデートにより状況が大きく変わってくる。画面も変わるし、対応もかわってくる。そのたびに全情報をアップデートすると、それだけでコストがかかってくる。

当初コールセンターやメールでの対応コストこそが問題で、このサイト更新コストを視野に入れていなかったが、それは大きなヌケであることに気付かされた。

ユーザーとカスタマーの違い

ユーザーというと私達はビジターのことを指す。ウェブサイトを使っている人だ。しかし彼らはユーザーというとき、基本的に製品サービス利用者のことを指す。だから使っていないウェブサイト訪問者はユーザーではない。この言葉のズレをまず共通認識にすべきだろう。

つぎにカスタマーは商品やサービスを買ってくれたお客様。これはほとんど一緒だが、問題はユーザー出会ってもカスタマーではない人がいるということだ。

例えば中古品。使ってるユーザーでも中古品を買った人は売上に貢献していないからカスタマーではない。そしてユーザーは買ったところに問合せする製品もあれば、メーカーに問い合わせ刷るユーザーもいる。メーカー側はユーザーに問い合わせするなとは言えないから、対応コストを下げるためにFAQやマニュアルが必要。そういう収益にならないサンクスコストが発生していることは意識になかった。

ウェブ担当者の話が一番ためになる

私がいま少しはウェブ解析で役に立っているのは、Web広告研究会の調査委員会に負うところがおおきい。彼らは担当者として会社、部署ごとの課題についていつも悩みを共有していた。その課題や改善策を聞いて、私は育ってきた。それによって得られた気づきは今私の根幹になっている。

もし話を聞くならウェブ担当者の話を聞くことを強くおすすめする。

そして私はサポートサイトについて19年目にして1年生となった。これからもっと学んで共有していければ少しは皆様の役に立つこともあるだろう。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.