タグマネもはやタグマネではない

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時代の流れに合わせて進化したタグマネ。有償のタグマネもあり、それらはさらに高度な「変数」や「トリガー」が使えるようになっている。

たとえば発火したときに、メール配信ソフトとAPIで接続し、自動的にメールを送る、なんてことができる。

会員としてログインしたユーザーがショッピングカートまで来て離脱してしまった場合、メールを送る、なんて芸当も不可能でない。

またタグマネ上でCookieを発行し、マルチデバイスでの挙動を紐づることもできる。ユーザーがIDなどをフォームに入れたところで、過去に遡ってマルチデバイスのユーザーを紐付けるということもできるわけ。

やろうと思えば特定の条件にあったセッションのときにウェブサイト上での表示を切り替えるなんてことも可能。

お気づきかもしれないがが、マーケティングオートメーション(MA)やA/Bテストの一部(セッションに合わせた画面表示の切り替え)だって可能になっている。

だから有償のタグマネを実装すると、もうMAなどが必要なくなった、MA導入のために入れた有償のタグマネでやりたいことがほとんどできてしまった、なんてことがおきている。

MAとタグマネを比べるとどっちが有利でしょう?MAの方がマーケティングオートメーションのために作られた専用サービスなので実装さえできれば複雑なタグやJavaScriptの知識がなくてもソリューションの実装はできるが、タグマネの方が優れている点として既存のリソースを使える点がある。

多少融通は聞きますがMAでは原則顧客データベースもメール配信も表示切り替えもMAのソリューションを使い、以前から使ってる顧客管理用データベースやメールソフトから移行する必要がある。タグマネをつかうと既存のリソースをそのまま使ってMAのようなことが一部可能になるので、移行するコスト、リスクが大幅に下る可能性がある。

だから高度なタグマネはもや「タグ」でもなく「マネージメント」でもない、って感じてしまうのだよね。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.