暗号通貨とブロックチェーンのロマン

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現在ブロックチェーンや暗号通貨も少しづつ調べている。同業者では業界が絡みたら想像以上にこの話題は少なくて、どちらかというと経営者や金融の人のほうが関心が高い。デジタルマーケティング業界でブロックチェーン話す人が多いが、暗号通貨のことを熱心に語る人は少ない。

どちらかというと避けているような印象ももつ。

私もビットコインを聞いたはじめのころは相当胡散臭いと感じていてMLMとかと同じようなものだと思いこんでいた。しかしセミナーで偶然聞く機会があり「少なくとも詐欺じゃないらしい」という印象に変わった。しかしマウントゴックスが破綻するのを見るについれ、「詐欺じゃないがろくでもない」という印象にとどまっていた。

暗号通貨のことを有識者に聞くといろいろな意見が出るが消極的な意見が大半だ。一方で、経営者の何人かに聞くと、インターネット黎明期の頃以来の興奮と混沌を感じると言う。ネットバブルのころの馬鹿騒ぎと似ているのだろう。

消極的な意見の一つが、国家が潰すだろう、という意見だ。「国家にとって暗号通貨を放っておくことにマイナスしかない。通貨は国家なり。非合法、無政府な取引を増長する暗号通貨マーケットは必ず潰される」というものだ。それは一理あって、国家は実際兌換紙幣をやめて公共投資などを使い通貨を「コントローラブル」なものにした。それで今までなんとか戦争もなくマネージメントしてきたが、またアンコントローラブルな通貨を認めることは、リスクはあってもメリットはない。だから潰されるだろうという意見だ。

一方でブロックチェーンも暗号通貨も共通のロマンがある。リベラルなのだ。その考えには脱権力、脱組織で自由であるべきというロマンがある。だから究極にはどのロマンが好きか、ということになる。権力による管理もと非効率や理解不能なものを排除するか、個人の意思と自由を絶対とし非効率も理解不能なものも自己責任とし認めるか。前者なら暗号通貨は非効率で理解不能だろう。でも共産主義的な危うさも感じる。理想的すぎて実現できるのか?との意見も尤もだと思う。

私はブロックチェーンが多くのシステムやウェブサービスを代替するし、暗号通貨は国家がどう思っても、多分広がると思う。インターネットがそうであったように、それは不安定で不確かであっても発信受信が自由で無限に広がる可能性には勝てない。

とはいっても日本はちょっとむずかしいかな、と思ってた。金融業界、とくに銀行はもう金融庁の指導下、柔軟性を失っているからどう考えて受け入れない、と感じていたからだ。でも、この前のSBIの北尾さんの話を聞いてそう思った。他の金融機関は多分自分からこの業界出てこないだろうが、彼だけは行くだろう。

そんな状況でもデジタルマーケティング業界ではあんまり話題になっていない。理由は多分いまビットコインとか追いかける暇もないし、それで儲けなくてもいいし、そこの話をする必要もないからだと思う。

でもインターネットがあるべき形になる一歩だとも思う。ひとりひとりが自力で改良しながらオープンにつながる本当の姿。投資しようとは全く思わないが、変わることを肯定しよう。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.