Painted Story

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ウェブ解析士協会では全委員長などリーダーがPainted Storyを書くことを伝えている。このPaited Storyとはどこにも文献も資料もない。どこにも書籍もなさそうだ。しかしこれはビジネスにおいてプランやビジョンを作成する方法として有効な方法だと感じている。

そこで私が実践しているPaited Storyについてできるだけ書いておこうと思う。

Painted Storyとは

もともとはWAOJEの会長だった猪塚さんがWAOJEののビジョンを説明するときにつかってた手法だ。だからどこにも書いていないが、猪塚さんから聞いた話ではEntreprener Organizationというアメリカに本部のある起業家むけの団体のセミナーである企業の創業者がつかっていたフレームワークである。

彼はWAOJEのあるべき姿を2025年の視点でプレゼンしてくれていた。そのスタイルがとても良いと思い、私はこの方法をウェブ解析士協会でも利用している。

去年2020年は私がつくっていて。今年は委員会や部長にも作成をお願いした。それでお互いやりたいことを現在形で書くで、お互いのWant to(やりたいこと)を実現した感想として書き、共有している。

Painted Storyの特徴

その名称から特徴は想像つくかもしれないが、以下の様な特徴がある。これらをストーリーとして過去の昔話を振り返り、人に伝えるような形式で書くのが一般的な書き方になる。歴史を振り返るとか、皆さまに伝えるねぎらいのスピーチのような形式になるだろう。

達成した未来の視点で書くこと

「これからする」「これがしたい」ではなく、実現したとしてその未来から軌跡を追うように書くことである。年末のご挨拶のような文体になる。これによりやり遂げたときの困難、成功の喜び、その先に見える風景や感情をリアリティを持って書くことができる

現在形で書くこと

未来から過去を追いかける(実際には未来だが)形式になるので「何をしましょう」「何をする予定です」という書き方ではなく、「何をしました」「何を進んでいます」という過去形か現在進行系の未来の状況が並ぶことになる。もちろん、書いている未来の視点から見た、さらなる未来を書くこともあるが、それは希望であり、望みのような文体になるはずだ。

困難が成果になる

予定や未来のビジョンを書くと現在の視点からになるから問題点や課題が乗り越えるべき壁や障害になる。Painted Storyでも、もちろん課題である点は変わりないが、その乗り越えた先から見える。山を登るに例えれば、登る前の絶壁を下から見れば困難でしかない。しかし上から見れば、それは乗り越えた成果、あるいは上手く回避したトラブルとなるはず。

Painted Storyの長所短所

長所は実現の臨場感が高まること

これからやることとして周囲に伝えると、どうしてもネガティブなセルフトークや疑問点が出てくる。しかし現在形でゴールから遡ると、困難も特徴も振り返りで見えるのでネガティブな感情がおきにくし疑問点が解決すべき課題として見えてくる。

そして何よりビジュアライゼーションをしやすくなる。未来を未来形で伝えるとイメージが困難になるが現在経過固形はイメージがしやすい。その表現を応用することになる。

この方法でビジョンを書き始めた2019年には意識していなかったが、最近コーチングを学んで、この方法の長所が理論武装された。

現状を超えたゴール達成に無意識の力を使い、達成に向かうときにマインドの力を十二分に使うには、ビリーフシステムの書き換えを通して、コンフォートゾーンを移してホメオスタシスの活動をゴールに移すことでモチベーションをゴール達成に向かわせることが必要だ。

そのときにこのPainted Storyは現状の臨場感を高めるゴール設定に役立つと感じている。

短所はまとめにくいこと

それぞれ勝手に書くからそのあと当然ながらまとめにくい。それぞれがやりたいことWant toで書いているから当然のことではある。それをまとめていく段階では上長の調整が必要になってくる。しかし配慮満載の調整より、どういう事をした以下の具体化とタイミングの調整は、やりたいこと中心なだけに駆け引きはベクトルの調整と期間の調整だけになりシンプルになるのではないかと個人的には思っている

Painted Storyの作り方・進め方

やりたいことを目的に書き、やらなければならないことを目的に書かない

やりたいこと(Want to)で書くこと。過程にやらなければいけないこと(Have to)があってもいいが、それは過程であって目的ではない。やりたいこと中心で書かないと他の人とすり合わせがしにくくくなる。

遠くから作る

5年後、10年後など遠くから現在に戻すこと。でも100年後だと感情が働かないはず。自分が5年後年齢を考え、感情が湧くところを起点にしる。そうすると普通の人は20年が最長だろう。3年未満だと短すぎる。

肯定過去形・現在進行形しか使わない

「なになにしないようにする」みたいなことがStoryの実現したいことだとすると、無意識を働かせにくい。否定形は使わず肯定形で書く。
「なになにした」「なになにしている」という過去形か現在進行形しか使わない。過去形が望ましい。

未来についてはもちろん未来系を書いてもいいが、それはゴール起点(1年後が起点なら1年より後)の未来であること。

現状を超えたゴールにする。でも感情が働かないなら超えすぎてる

ゴールは今考えればできることを置かない。現状を超えたゴールにすると、無意識がはたらき行動に変化が起きるまたすべての周囲で起きたおきたことを肯定的に捉えることができる。現状のゴールでは不確実なイベントは全部障害にしかならないからだ。

そしてゴールの臨場感を高めるためにそれぞれに数字を入れる。達成の基準を明確にするためだ。ただし、数字の精度はこだわりすぎないこと。そんなことより、聞いた人の記憶しやすさ優先した方がいい。1,10,100とか全部20にするとかそういう記憶しやすさ重視がいい。株主への説明ではない。わたしたち共感するためにつくってるからだ。

Painted Storyを使うときの注意点

責任を問わない、持たないことを大事にしたい。ここで書くことは達成目標ではあるがノルマではない。

だから書いたことの責任を感じてはいけないし、責任を追わせてもいけない。一方で書いたことも変更も修正も自由だ。

自分がしたいことをゴールから見て表現したものと捉え、常日頃から共有しておくといい。ビジョンやミッションより伝わると思う。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.