ハイテクはローテクなんだよ

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ウェブとかデータサイエンスとか、ウェブ解析だってお、ハイテクノロジー、つまりハイテクだと思ってるかもしれないが、私は

ハイテクはローテクだと思ってる。

私達の仕事、ウェブの制作でもシステムの開発でもデータの解析でも、ハイテク産業はまだ競合も少なく、技術も確定していない。だから受注も容易だし、その運用も技術的に不完全な点が多い。失敗も多いし、事故も多い。プロジェクトが頓挫することは決して珍しいことではない。

一方で、土木建築や建設は、ITやらWebとかから見たら、ローテクに見えているかもしれない。まあ、情報産業ではないからローテクというのは、相当おかしな見方ではあるが、基本的な技術が程度成熟している産業=ローテクとさせてもらう。

しかし彼ら土木建築のチャレンジは半端ない。どれもこれも、人類未踏の世界を開拓するような仕事ばかりだ。

今オリンピックで建設している一つひとつの建物が、再開発という条件の中、相当チャレンジな仕事ばかりである。そもそも、東京タワーだって、何だって私達が生まれてから見ている建物はどれも人類初のチャレンジばかりである。ちょっと調べればその難しさはわかると思う。

しかもこれらのプロジェクトは入札が多く、しかも安ければ取れるというものでもない。人類誰もやったことがなく、競合と入札である。受注したら赤字かもしれない。そんなことがゴロゴロしているのが土木建築の領域である。それでも予算を立て、図面を引き、そこから入札をしなければいけない、超絶過酷な世界なのである。

そして安全第一。プロジェクトで死人やけが人がでたら、その時点でその受注は消えてしまうかもしれない。だから安全管理や会議を欠かさない。それも予算のうち。それで、様々な協力業者を使ってプロジェクトを成功に持っていかなければいけない。高齢者もいれば、外国人だっている中でだ。

振り返って、私達の仕事で人類未踏、なんて仕事何件あるだろうか?過去に誰かがやってたり、業界ちょっと見ればどこかでやってたりして、そのウェブサイトやシステムもすこし見られたりして、それで見積もりしている。入札なんてケースは稀で、せいぜいコンペだろう。

それが全く楽ちんだとは(同じ業界の私から見ても)思わない。
でも彼ら、枯れている技術だからこそ、毎回人類未踏のチャレンジをしていて、その中で予算を守り、安全を守るという仕事はとってもすごいな、と思うし、わたしたちは学ぶことがたくさんあるな、と思う。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.