「楽しい」からではなく「悔しい」「困る」から学ぶ
英語や中国語を学ぶ方法を探すと様々な教室、教材を見つけることができます。無料のものから高額なものもあり、どこから手をつけていいか迷ってしまうこともあると思います。
ただ、一つだけ言えることは「初心者向けに手軽にストレスなく学べる」という教材はほとんど効果がないということです。
語学はどの言語でも終わりがなく、どこまでいっても(ネイティブではない限り)難しいものです。まずその前提をもって「聞くだけで学べる」とか「アプリで自然にペラペラになる」といった言葉がある教材や教室はやめましょう(その意味では幼児向け英語教室はほとんど価値がないと思っています)。
もちろん、ストレスなく外国語を学べるアプリはあります。Duolingoは世界中で使われているアプリでドイツに行ったインド人の友人もドイツ語をそれで学んでいました。5分~10分程度毎日やれば学べるし、筆者も韓国語を学んでいますが、このような「手軽でストレスない」学び方は成長までにとても時間がかかります。そのことを覚悟して片手間に学ぶならいいでしょう。
「真剣に学びたい」と思うのであれば、まず教室や教材を探す前に、自分が学んでコミュニケーションをとりたい場に飛び込んでみることをお勧めします。
そうすれば、あなたがいかに話せないか、聞き取れないかを思い知ることになります。「楽しいから外国語を学ぶ」というのは学んでいない初学者にとっては幻想です。学ぶのは「楽しい」からではなく「悔しい」「困る」から学ぶものです。
おすすめの学び方
費用対効果で言うならば、NHKの通信講座はお勧めできます。中国語、英語を学びましたが、テキストの価格の安さ、クオリティの高さを考えると最高峰の教材です。NHKオンデマンドに契約すれば、無料で見逃した番組を見ることができます(受信料は必要ですね)もう1つお勧めなのは、語学プレーヤーです。これは字幕がついて読み上げてくれるのでテキストを持たずに、アプリで手軽に学ぶことができ、中国語の勉強で重宝しました。
もう1つおすすめはEnglish Centralです。このアプリ(ウェブサイトもあります)は、映画やスピーチなどを題材に、聞いた内容をディクテーション(文字で書き込む)ことを学んだり、そのセリフを話すことで、AIがその発音のクオリティを判定してくれます。まだオンライン英会話で学ぶにはちょっと気が引ける方、夜に英語勉強したくても酔っ払っていて先生と話すのは申し訳ない私みたいな人にはお勧めです。
おなじようなディクテーション教材の上級者向けには、TED Talkをディクテーションできる、TEDICTがあります。これは本当に全文書き写しのようなこともできるのですがちょっとタフかもしれません。
あと、リスニングを強化するにはシャドテンというアプリもあります。これはシャドーイングという英語のスピーチを真似ることでスピーキングとリスニングのスキルをあげるトレーニングを毎日1回投稿できるアプリです。アプリなのに1ヶ月2万円ぐらいかかるので決して安いサービスではないですがスピーキングの上達はすぐ感じますし、リスニングの上達も3ヶ月ぐらいやると感じることができます。ただ、1日1回自分で管理して送るという、いかにもさぼってもらおうというシステムがあるので、毎日1回送るという習慣がついていることと、ある程度の基礎的な英語能力がついていない人にはお勧めできません。
Podcastもお勧めです。私は教材っぽいものを学ぶのはあまり好きではないので、バイリンガルニュースをよく聞いていました。テレビや新聞で流れるニュースをまたPodcastで聞いても面白くありません。このニュースは全く他では紹介されない論文や科学雑誌の記事などを取り上げていて、また日本語英語で様々な意見を聞くことができて内容として面白いと思っています。アプリで全文の文章を読むこともできます。
上級者で経営をしているならEO360も面白いです。起業家団体EOの経営者が話すリアリティのある起業物語を聞くことができます。英語は最高に難しいですが、そのハードな話は思わず聞き入ってしまいます。
オンライン英会話もたくさんあります。教材、英語の先生の質など様々な基準があります。最初は段階を追って学べるものがいいかもしれませんが、私はDMM英会話をずっと受けています。DMM英会話を続けている理由は、安さでも講師の質でもなく、なんでもできるからです。英語でプレゼンをするときにはプレゼンの内容を聞いてもらったり、読みたい記事があったら読みたい記事を一緒に読んでいったりしています。日本人もいるから(プレミアムの契約が必要)、日本語で文法を聞きながら学ぶことだってできます。
オンライン英会話は初期のころは朝に予約して時間になったら起きる目覚まし代わりに使ってました。30分も英語で話したら普通起きますよね。そんな使い方でした。
そして、語学を身につけるときの最大のコツは習慣化です。学校にいくなり英語教材を開くなり、なんでもいいので学んだ時間と質は語学力上達を裏切りません。その意味ではあえてオフラインの学校に行くのもいい方法です。
私は最初、英語を学ぼうと決心した時にFORWARDという学校に行きました。そこは学生による定期発表会があるため、休むと他の生徒に大きな迷惑がかかります。私も一回りも若い生徒にサボりすぎて説教をされたことがありました。サボれない状況に置くことも最初にやってしまうといいと思います。
あとは家族でフィリピンへの語学留学もしました。QQEnglishでは低価格の語学留学を提供しています。1日8時間英語でずっとトレーニングを受けていれば、必ず上達しますし、なにより逃げられません。
そのような環境に置いていると、最初は登るのが辛いだけです。でもふと後ろを振り返ると、登ってきた坂道が見えるようになります。「あ、ここまで自分は成長したんだな」と振り返って嬉しくなる、そんな瞬間を感じられるようになれば一人で登れます。でも山を登る前から楽しさは待っていません。まずは振り返って自分が誇れるレベルまでは登ってください。
最後に、どうせ学ぶなら評価されることがお勧めです。日本ではTOEICを学ぶ人が多いですが、私はお勧めしません。試験問題のための問題が多く、文法や英単語の細かい内容で実践的ではありません。また海外でTOEIC満点でも評価はされません。Compare to かwithか覚えても、英作文でつかわなければ価値は0ですし、その熟語を英語で読むときはそんな違いどうでもよく理解できます。そのような知識は後でゆっくり覚えたらいいです。
おすすめは英検もしくはIELTSです。特にIELTSは英作文、リーディング、スピーキング、ヒアリング4つをすべて評価され、それで大学院への入学条件を満たすこともできます。そして英作文もグラフに関する説明だったり、ヒアリングも仕事に関する面接だったり極めて実務的です。どうせ学ぶなら使えそうなスキルに副った学びをしましょう。
私は41歳でほぼ全くわからない状況から始め、49歳でIELTS7.0、英検で言えば1級レベルのポイントを獲得することができました。たいていの海外の大学院(ハーバードなどは除く)を受けられるレベルになりました。つまり、いつからだって外国語は学べて、いつからだって自分の人生を変えることができるのです。
とくにIT系の仕事をしている人は、医者がドイツ語を学ぶように英語でほとんどのニュースソースが書かれているので英語の理解は必須だと誰もが感じているはずです。今からチャレンジしましょう。
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