情報通信白書と変えるべき意識

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日本の情報通信白書が無料でKindleで読めることはご存知だろうか?

情報通信白書は私が大学生のころに論文を書くときのバイブル的な本だった。
タダとは本当にありがたい。この本のデータから気づけることはたくさんある。でも一番気づけたことは

「なぜ企業はウェブなどに投資できていなかったか」

である。

日本と海外においてITに対する投資が低かったか、高かったか。


答えはこのデータによると変わらなかった

である。では何が違ったかというと経済成長が停滞していたから。

企業のIT投資は全体収支を鑑みると割合は決して低くないが、金額(量)で鑑みるとアメリカと比べ十分ではなかった、ということである。

振り返って思う。10年ぐらい前、日本は産業成長は放棄したからもう未来の成長はないのではないかと思う。芽をつんでしまったのではないか。

バブルだったかもしれないが優秀な人材がITベンチャーに向かった時代があった。ホリエモンがライブドアを率いて、日本のあらゆる業種に問題提起してた。村上ファンドが資本面で日本の既存企業を変えていった時代である。

あの活動がGDPをあげていたとは思わない。しかしあの頃リーマンショック前の日本のベンチャー企業がこのまま活動できてたら今の日本はもっと元気になっている。そして社会全体がベンチャー企業への意識がマイナスに変わってなければ、若者はチャンスをつかむためどんどん新しい産業を作って、良くなってたのではないかと。ベンチャー企業を「ろくでもない集団だ」と社会と政府で彼らを叩き、「ブラック」だと働いている環境を叩き、親も子供を心配しベンチャー企業を敬遠した。結果として訪れた日本の社会は、競争力がある魅力的な社会になってるとは思わない。

ライブドアの経営者が刑務所に行くなら東芝の経営者は刑務所に行くし、ベンチャー企業の労働条件を問題にするなら、派遣社員の存在そのものがもっと深刻で数は多いし、大手企業も管理職の肩書に押し付けた労働条件はブラックと呼ばれる中小企業をはるかに超えている。彼らは出世ロードから落ちられないから頑張るのだが、でも働いてる量は基本的人権を侵害してる。

ITに限らず投資は何に投資するかが大事だ。どんなに多額の投資をしても、それが社会やビジネスを変えるものでなければ、本質的な改善にはならない。その最大の障害は自粛とか不寛容とか。変えるべきだけど空気を読んで変えないIT投資が産業と国の成長を阻んでいる。ITの投資の前に今までのやり方や価値観を現代に合わせ壊したり止めなければいけないところを、空気を読んで何も変えず、ITを不効率なやり方に合わせようと金と労力の無駄遣いをしている。それでは何兆円投資しても価値は低い。いままでの価値感や体制を白紙に戻すことを喜んで行わないと無駄に無駄を重ねるだけになる。

新しいことしても認められず、周りと違うと空気を読まないと言われ、自粛とか不寛容が広がる日本の社会は、どうにか変えていきたいと私は思う。

さあ本題に戻すと(笑)、大方の予想とは違い、このデーターを見ていると日本の産業はITを受け入れる意欲はある。だからウェブやアプリなどを事業に活かすために予算を取ることを拒んではいない。しかし産業の成長性が少ない。パッケージを避け、自社独自の受託に頼る(つまり業務の仕組みは変えられない)。この不寛容な社会環境が日本の成長を阻害していると思った。

繰り返すけどタダであんな貴重なデータ見られる機会めったにないので読んでおこう(笑)

 

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.