日本の製造メーカーにとってもう一つの方法

1月9日からセブにいる。去年もセブに来たけど海見てない(笑)。セブっはコールセンターや語学研修の拠点として大きく成長している。

空港も相当きれいになった。ITパークもあり、コールセンター業務やシステム開発会社も増えている。

流暢な英語が話せる人材の給与が2万5千円ー3万円ぐらい。ここはアジアの他の国にはない大きなアドバンテージだろう。

今回は日本のモノづくり企業にとって参考になる戦略をとっている企業があったので紹介したい。

Sprobeさんの好意でセブの製造メーカーを見学する機会をいただいた。その中で1993年からセブに進出したマコトグループさんを知ることができた。

もともとはマコト軽金属という会社がスタートで、創業したころは志木でアルミ棒材の切断などの簡単な加工を行っていた。その後ご子息がセブに進出、Makoto Metal Technologyは800人を超える社員が光学メーカーの切削加工製品開発やダイカスト製品製造を行ってる。志木にある本社より、技術的にも遥かに高度な製品開発をセブで行っている。だって光学メーカーってめちゃめちゃ品質にうるさいはずだから(笑)。

日本が本社で海外に拠点がある会社は多いが、技術的にも規模的にも本社を大きく越えて成長したケースは珍しいのではないかと思った。

ご子息、その右腕の方にお会いしたが至って謙虚な方。でもこの文化も違う人材をあつめ、この規模の組織をつくるのは並大抵の努力ではなかっただろう。

一つの成功のポイントとしては、海外拠点を人件費が安い、本社がやれることを安くやってもらうための所としてではなく、幹部レベルの人がじっくりその海外拠点でマネージメントしながら、本社を越えてクライアントと製品改良に取り組んだからだと思う。海外に生産拠点を移す大企業は多いのだから、安心できる製品を国内で創るパートナーではなく、海外の生産拠点にあった製品を海外で創るチャレンジをしてくれる企業はそう多くはない。

国内で同じことをしようとすればここまで伸ばすことはできなかった

いや海外でここまで伸ばすのは、それはそれで並外れた努力はいるはずだが、ただ確かに競合、市場、雇用の視点で見ても国内で同等の成長をすることは難しかっただろう。

日本にとどまり品質を上げる、自社のブランドを高め付加価値をあげるのも立派な戦略だ。でも日本の製造メーカーにとってもう一つの方法としてもっと知ってほしいとおもった。

Toshiaki Ejiri: Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.