特許や商標を探す

特許や商標を探す

特許庁のJ-Platpatを活用

自分の考えた技術で特許を取ろうとか、自分の商品名を他者に悪用されないために商標を取ることがありませんか?また新しいサービスを行うときに、商標を侵害しているのではないかとか、特許に抵触していないかという調査も必要になると思います。このような調査、一般的には弁理士が専門家になります。出願しようと考えているアイデアや商標を伝えると、類似の特許や商標の調査、そして出願して実際に特許や商標が取得できる可能性についてアドバイスをいただけます。一般的には1万円から十数万円の費用がかかります。

しかし、このような情報の検索は特許庁にいけば誰でも無料で検索ができます。もちろん、弁理士のような専門家に比べると、類似の技術や商標の調査の範囲が漏れてしまうかもしれません。また一番大事な出願した時に権利が獲得できるか、という点も保証はありませんが、高い費用を払う前に自分で調べておいたほうがいいでしょう。

特許庁のJ-Platpatがそのデータベースです。特許だけではなく、実用新案や意匠権(建物や物品のデザインや形状を他に真似されないための権利)も検索できます。

検索結果が膨大になるので、どれか1つを選択するのがいいでしょう。

国内の特許を検索する

特許を選択し、ワードを入力すると一覧で表示されます。スペース区切りでAND検索、文献番号のみを入力した場合はスペース区切りでOR検索となります。なお、Googleのような言葉の揺らぎに対応していませんので、英語とカタカナなど何種類かありうる場合はそれぞれ検索し直す必要があります。特許出願の細かい話をすると長くなってしまいますので、この特許はどんな内容か、その特許が有効かを知ることにしぼって説明します。

左側をクリックすると、特許の申請内容が見られます。要約を見て分かればいいですが、わからない場合は【発明が解決しようとする課題】【課題を解決するための手段】あたりがヒントになります。右の「経過情報」をクリックするとその特許が有効かを知ることができます。登録情報のタブがあればその特許は有効です。審査情報があれば現在特許庁が審査中でまだ有効かわかりません。どちらも無い場合は拒絶されてその特許は無効です。

国内の商標を検索する

国内の商標も同じくワードを入力するのですが、商標については区分という考えがあり、区分41は「​​知識の教授」「セミナーの企画・運営・開催」を行うものが当てはまります。商標が同じでも違う区分であれば出願ができるというわけです。だから商標とあわせてどの区分で登録されているのか注意が必要です。

特許も商標も登録から期限があり、期限がすぎると失効してしまいます。また、特許や商標が拒絶されているケースは、自分たちも取得できないが、他の人も取得ができないとも言えるのです。その名称や技術をつかうには誰の権利も侵害しないというメリットもあることは覚えておきましょう。

海外の特許や商標を検索する

海外の特許についても、WIPOが提供しています。商標はGlobal Brand Databaseで探すことができます。
特許庁にも調べるためのリンクが提供されています。
ただ、日本語で登録したものは当然日本語の商標になります。海外で英語や中国語での商標を申請する場合は、国際商標を申請するか、それぞれ国ごとに商標申請をその言語で行う必要があります。筆者は以前海外での英語の商標での申請を試みたことがありましたが、うまくいきませんでした。商標については、国ごとに考え方が異なり、たとえばシンガポールではシンガポール国内である程度実績がある内容ではないと商標出願が通らないということがあり、過去の実績をお伝えしたのですが残念ながら認められることはありませんでした。また一般的な名称を含んだ商標が通らないケースもありました(その単語を組み合わせた言葉であっても)。
ただその国でサービスを始めようとしたら商標侵害で訴えられる、といったリスクを減らすためにも確認しておくといいでしょう。詳細は国際特許事務所にお問い合わせしましょう。

特許は人類の知恵を共有するためにある

私は特許を取れなかった残念な思い出があります。それは産学協同研究の結果、発見したウェブサイトの売上や注文数に直結する指標を見つけたときです。特許申請をしましたが、その申請の数ヶ月前に出版された本に私たちの申請した指標の逆の指標が載っていて、そのことで特許は認められませんでした。私たちが申請したのは1ページだけをみた訪問を除いた数、到達数でその本に載っていたのは1ページだけをみてさった数、直帰率でした。

最後に特許や商標権など知的財産権は、その発案者を守るためにもありますが、権利を守ることで、その知恵を誰もが知り、権利を守れば利用できるという便利さを備えています。そのことを意識して情報を見ると新たなアイデアや活用方法に気づけます。

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