ウェブ解析士マスターに独自講座を義務付ける理由
- 2019.01.08
- education flamework OldCategory(JPN) tips web analytics
前回のブログで説明したとおり、ウェブ解析士マスターの2019年から始まる資格維持条件の変更の続き。
別に急に思いついたことではなく、去年説明したことが今年施行になった。
ウェブ解析士マスターは今年から独自開催が義務付けられた
その理由を伝えておきたい。
以前にもこのブログで書いていたのだが、ウェブ解析士マスターがロールモデルでありつづけ、ウェブ解析士の活躍の機会が増えるようにするためである。
- ウェブ解析士の認定カリキュラム以外の、あたらしい講座をつくる
- そしてその資料を上級ウェブ解析士に共有する
- 上級ウェブ解析士はいろんなマスターからノウハウを学ぶ単位制にしたい
この施策には3つの思いが込められている。
ウェブ解析士の認定カリキュラム以外の、あたらしい講座をつくる
いままでウェブ解析士マスターは認定講座を教えられる資格だった。それは変わらないが、ほぼすべてのウェブ解析士マスターは、何らかのスペシャリストである。またスペシャリストとして積極的に自らをスキルアップしていくロールモデルとしての存在も期待されている。
しかもウェブ解析士マスターはどうしてウェブ解析士がこのような講座なのか、どうして受講生を獲得できているか、その秘密を知っている。だったら、それぞれのスペシャリストなことを教えたほうが受講生にとってためになる講座を開催できるだろう。そのノウハウを生かしてオリジナルな講座をつくれば、ウェブ解析士マスターの活躍の幅は大きく広がるだろう。
またウェブ解析士を学んでいる受講生は、この分野で時間をかけて試験もうけて学ぼうとしている意欲の高い人たちだ。
学び、実践する意欲の高い彼らに紹介すれば積極的に学ぶだろう。
ウェブ解析に限らず、ウェブマーケティング、経営など幅広い学ぶ場になってくれればと思っている。
そしてその資料を上級ウェブ解析士に共有する
そしてウェブ解析士マスターはその発表で使った配布資料やプレゼン資料を協会に提出することを義務付けている。その内容は上級ウェブ解析士以上の方には公開する予定だ。
これにより上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターは自分でプレゼンやセミナーをするときの参考になるし、それぞれのウェブ解析士マスターに講義や業務を依頼するきっかけにもなる。なお提出する内容は抜粋でもよく、すべて(秘密情報など)を提示する必要はない。
上級ウェブ解析士はいろんなマスターからノウハウを学ぶ単位制にしたい
またこれは将来的な上級ウェブ解析士のカリキュラムのあるべき姿を考えたことも理由だ。いま2日間10時間の座学で学んでいる上級ウェブ解析士講座だが、全員同じ内容を学んでいる。
上級ウェブ解析士はコンサルタントとして仕事をするための「スタート」としての講座ではあるが(うけてコンサルに全員なれる担保はしてない。ウェブ解析を用いたコンサルタントになるきっかけしか与えられていない)が、コンサルタントとして仕事をするときに、誰もが同じカリキュラムを学ぶのでは不十分だと思っている。
コンサルタントとして括約したい分野、業種、クライアントは人によって違うのだから、それぞれにあった内容を学ぶべきだ。
そこで将来的に、できれば2020年に今ある上級ウェブ解析士講座を解体し、他の様々な講座をカリキュラムに選択必修授業として加え、そのどれを終了したかで一定の要件を満たした方が上級ウェブ解析士である、という認定を提供すればいいと思っている。
いまエキスパート講座では少人数、ワークショップで「手を動かす講座」となっている。これが今後上級ウェブ解析士の単位認定の講座になればいい、と思っている。
事業分析・ユーザー分析で1単位
広告・SNS・サーチなどトラフィック解析で1単位
トリプルメディア改善施策で1単位
レポートで1単位
「CJM分析とSNS解析で主にペイドメディア改善施策を学んで、BIツールレポートを学びました」
として選べたら楽しいのではないかと思う。
つくるならぜひエキスパート講座を!
ただし、今回ウェブ解析士マスターが作製する講座の内容には制限はない。ウェブ解析ではなくてもいい、ビジネスや助成金の話でもいい、現在はどんな内容でも良いとしている(今後変えるかもしれないが)。また講座はオープンである必要はなく、クローズドの社内向け、といった講座でもよい。
ではどんな講座をつくるといいか。おすすめしたい開発する講座はエキスパート講座だ。
なぜ初心者向けを最初に作らないのか。よく初心者向けをつくる人が多い。そうすると初歩的な内容を入れなければいけなく、金額は安くなるし、満足度をあげようと高度なものを入れ込んでしまう。そうするとレベルの高い講座をつくるのが難しくなってしまうのだ。
だから素人向けの誰でも話せる内容は後回しにして、専門家、プロレベルの人に対する講座をまず創るのが大事だ。つまりエキスパート講座だ。つまらない初心者向けの内容を一切省いた、自分のノウハウに近い内容をつめこむことができる。初心者向けはあとでゆっくり、エキスパート講座を学んだ人達とゆっくり手分けしてつくったらいい。
エキスパート講座にするつもりで作れば協会で講座を開催し、そのあとオンライン講座にしてもよし、講師を育成しても良い。新たな人間関係と、ビジネスの広がりがあるはずだ。
この制度をみんが生かしてくれるといいと思っている。
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