過適合と分かりやすいということ

過適合と分かりやすいということ

去年から一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会と定期会合に参加させてもらっている。30年以上も活動を続ける団体で、私達ウェブ解析士協会みたいなぽっと出じゃない。会合は大変学びが多く、最近楽しみにしているミーティングの一つだ。

そこで「分かりやすいことが正しいとは限らない」という話があった。気付かされることも多く、いろんな含蓄を含む言葉であるけど、ふと思い出したことから別な視点から伝えたい。

福岡のバスを知ってるだろうか?

福岡県民なら利用しない人はいないぐらい最も身近な交通手段だ。
とても便利で、バスさえ覚えればどこでもいける、とみんなから聞いた。

利用してみるか、と思い路線図を手に入れたのがこれ。

すごい路線の数。もはやICチップの配線に見える。多分地元の慣れ親しんだ住民にはとても便利だろう。同じような路線でも細かく分岐しているので、本当に行きたいところにいける。

しかし、初めてきた人にとって、これが「分かりやすい」かというとそうではない。多岐に渡る路線図を見て、一発で理解する人は少ないはずだ。なれない土地であれば、まず間違いなく「問い合わせ」をするだろう。企業であればコールセンターコストをあげる。

ターゲットへの過適合は全員の利便性を下げることがある