アクセスログ1級と上級ウェブ解析士

アクセスログ1級と上級ウェブ解析士

私はまったく教育業界の経験がない。教育免許も持っていない。いくつかの偶然がウェブ解析士をつくるベースになった。2000年に私みたいなできの悪いヤツが教育しているとは想像できなかっただろう。

検定に関わったのはJWDAの時代に遡る。日本ウェブデザイナーズ協会の理事にならないかと経営者の塩野さんから誘われたとき、断り続けていた。デザイナーじゃないしVCから投資受けてるしツールも売上伸ばさなきゃいけないし、ボランティアやってる暇ないよ、と。

5回ぐらい断り続けてたら、私の言うこと聞いてくれないんですか?ぐらいのことを言われて、仕方がなく参加した。大変なときになんでそんな役割引き受けるのか、と小坂にめちゃ怒られたような気がする。

当時JWDAは一旦休眠状態になってしまっていた。1年活動がなくて、これはまずいということで理事メンバー総入れ替えで新しく立て直すってときだった。なんで俺ここにいるのかなーと思いながら参加したが、ほんと手弁当で頑張るしか無くて理事がイベントの前になると慌てて集客頑張ってなんとか体裁を取り繕う感じで、あまりに厳しいのできる範囲で応援しようと思った。

私はラーニングの委員になってしまった。当時Webデザイナー検定という資格を提供していたが、そのテキストが3年前ぐらいにつくったもので、もう古かった。ADSLとかが古い情報しかなくて、これは試験に出すのも教えるのも厳しい、ということだった。

私がつくったテキストじゃないし、そもそもデザイナーじゃないけど、テキスト改訂しなきゃいけないと言われて、そこで理事で手分けするよう伝えた。テキストをハサミでちょん切って、テストの問題とテキストを理事に配って全員で見直ししてくれ、と伝えた。このときから大人数の著作者にテキストを作らせるというスタイルが身についたと思う。

ただビジネスもボランティアやってるほど決して順調ではなくVCからの投資もうけているのに、売上が伸び悩んでいだ。当時アーチンをベースにしたビーコン型解析ツールのGoogleアナリティクスは最初大したことなかったのだがだんだん認知度も上がり性能もあがっていった。サイトカタリストがはいってきて、外圧によってアクセス解析ベンダーが苦しい状況になった。

そこで、このままじゃむずかしい、ということになりいろんな新規事業を展開しよう、と思った。それまで否定してたGoogleのようなソリューションもうけいれなきゃいけないと、(なぜかこれだけサイトが残ってるが)アクセス刑事Adviceとかつくってみた。Googleアナリティクスのデータからアドバイスを作り、Googleカレンダーに乗せるという無料サービスだった。将来的にデータがあつまれば色々できるかな?と思ったがそのあと改善アドバイスを研究する時間がとれなかった。

まあ色々バタバタもがいてたのだが、その一つでよくセミナーをしてたソフトブレーンサービスの社長から認定資格講座を開発してほしいという要望をうけた。

アクセスログ1級という資格だった。3万5千円で売るという。しかもツールは売らなくていいという。そんなの売れる気がしなかった。私の講座はツールを売るための講座だ。デパートで圧力鍋を売る店員と一緒だったのだが、ツールは売らなくていい、という。

話だけでそんなに高いお金取れない、と全身全霊でコンテンツを強化した。そしたら想像以上に喜んでいたいただけた。ホント想像以上だった。当時Web担のメルマガでの告知がとても効果的で、ある程度収益にもなった。

これは世の役に立つのかもしれない、と大阪や名古屋でも開催してみたが東京以外では集客に苦戦した。それでも良い評価は頂けた。つづけたのはその発起人のコンセプト「日本中の中小企業がウェブマーケティングを学べる機会を作る」に共感したからだ。東京だけでやってたらその言葉を裏切ることになる。

そして大阪で講演していなければ、いまの副会長亀井さんと会うことはなかった。

そんな形で東京で開催して設けたお金を地方で使い果たす感じで、私たちは主催者として講座を開催していたが、ある日その資格制度そのものがなくなってしまった。私たちとしてはせっかく学んでくださった人たちに、資格がなくなったということでは申し訳ないので、別な資格を作って移行することにした。

アクセスログ1級(今考えると不思議な名前だ)は名前通りアクセス解析しかなかった。でもホントはビジネス解析もウェブマーケティング解析も大事だ。5日間1日で学ぶ講座だったが、もっと包括的に戦略からウェブマーケティング解析もいれよう。

ということで2日間講座にし、ウェブ解析を軸とした。そして演習中心、計画立案からレポートへのコメントまでつけた。

上級ウェブ解析士の誕生だった。

そのころ別社団法人を立てようとしてJWDAの理事を辞任しようとしたら、JWDAで開催してほしいということで、まあ賑やかしにはなるだろうと思ってJWDAでウェブ解析&リサーチ委員会をつくり委員長として認定資格を提供しはじめた。