マレーシアで地元の話を聞いたこと

マレーシアで興味深い話を聞いた。

地下水の汚染防止方法についてである。

いま福島第一原発で汚染水を凍土方式遮水壁で陸側からの流出を防止している。

記事を見るとしかしその効果に疑問があるとの記事が目立つ。
ただ他に方法がないのだろうと思っていた。その理由や解決策についてアイデアもなかった。

先日日本語スピーチコンテストの後のことだった。Hakkaという可変式の屋根がある地元の有名なレストランだった。会食のとき、私が小名浜出身と伝えたら、席を移動して、どうしても伝えたいことがある、と話をしてくれた。

平均で考えるのが問題

まず凍土壁がうまくいかない理由を彼は知っていた。それは地下水の流れを平均値で求めるからなのだそうだ。地下水は目に見えないためはどこも一定のスピード、水量で流れていると思いがちだがそれは違う。地上の水だって川や湖や滝があるように、水を全く通さない粘土質から砂地まで様々だ。日本は特に地震が多く、地下は複雑なので、場所によってかなり水量も早さも違う。しかし凍土壁を作るのに必要な間隔をその地域の流速流量の平均値で求めてしまうと、流量の多い早い箇所では凍土壁では防ぎきれなくなる。

汚染水は全く漏らさないようにしなければ行けないので凍土壁のようなやり方で防ぐのは難しい、と彼は結論づけた。

ここから私の考えだが、理論的には凍土壁で汚染水を防げるかもしれないが、間隔や厚みを細かく測定することになり、コストが上がりすぎて意味をなさないかもしれない。

そこで彼が進めた方法は矢板だ。

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https://www.geograph.org.uk/photo/3198861 “Sheet piles” 矢板

鉄板矢板などをもれなく打ち込んで、その上で鉄板から染み出す汚染水を汲み出す。それしかないと結論づけた。

なぜこの方法を取らないか。矢板を知ってる人ならわかることだが、矢板はコストが高い。また鉄板なので錆びるため定期的に打ち直す必要がある。あの広範囲な地域に矢板打つのは大変だが、扱ってるものも人類未曾有の物なので基金を募ってでもやることかもしれないと思った。

なぜこの話をマレーシアで聞いたか。

私に教えてくれた方はある学校の責任者。もともとは有名な製造メーカーにいたのだそうだ。

その頃会社でトリクロロエチレンの地下水汚染問題があり、彼は責任者としてその対策をするため相当の投資をして得た結論だという。

また彼は京都議定書に基づくco2削減方法を模索していた。日本で一番真剣にco2削減に取り組んでいたと自負があった。

そして彼はco2削減には結局原発しかないと結論に至った。

彼としても、ここは納得できていない。しかし当時地熱発電は近隣の温泉地から反対され、その他自然エネルギーも安定せず万策尽きたため、当時は原子力潜水艦のエンジンを持って来ることを真剣に考えたという。

私はドイツが自然エネルギーの利活用で進んでるのだから可能性があるのでは?

と思ったらドイツは原発大国フランスと電力の供給で緊急時に調達できるようにしているのだそうだ。島国日本はそうはいかないはず。

でも個人的には、地球温暖化は本当にco2削減で解決するか、少し疑問はある。

太陽や大洋の影響の方がはるかに大きいので、co2削減ごときで温度が下がるのかいな?とは思ってる。トランプ大統領ではないけど。

最後に原発の事故について思ってること

自分の生命に関わる情報を正しく知ることができる権利があるのに、あのとき果たせなかったのが最大の問題で、わたしたちは立ち向かう必要がある。

あの水素爆発のときはメルトダウンの可能性が高かったのにそれを隠し、高速道路を通行止めにし、ガソリンのない近隣住民に避難の方法を与えなかったことに、私は納得がいっていない。

なぜ正しい情報を伝え、自力なり他力なり避難方法を作るなり与えることができなかったのか。

パニックになるから?
そうかもしれない。

でも最悪の事態になったとき、近隣住民は見殺しになった可能性が高い。

何もできないならせめて正しい情報を伝えるべきだったはず。
だったら歩いてでも動く事も自分で判断しただろう。
正しい情報をつたえて日本人が冷静に行動することを信じられなかったのか?

社会も行政もマスメディアも、危機的状況について正しく一般の人に伝えない姿勢は戦前から変わっていないと感じる。

周りのことを配慮して、個は犠牲になる。
福島に限らず日本全国どこでも犠牲になるだろう。

私は社会を変える力はいまもっていないし、変えられても私たちでは足りないから、私たちは私たちで自立して前に進む力をつける必要がある。

Published by

ejtter

Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.

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