【フィクション】沖縄の聖地とは

沖縄も8時で飲食店は占めることになっている。
東京に帰る前に、ひーじゃー汁だけ手短にいただこうと、花じゅみによった。
訪れた聖地の話をきよちゃんに伝えた。
火の神さまは今日も花じゅみを守っているようだった。

私が以前から沖縄に行くと必ず顔を出している那覇の山羊料理出すお店花じゅみ。あれは2回目に訪れたときだったと思う。
同席した、同じく東京からお客さんが昔行ったところとして「せーふぁーうたき」のことを、お店のおばあ、きよちゃんと話していた。

せーふぁーうたき。漢字では斎場御獄と書く。沖縄の民にとって、王朝にとってもとても神聖な場所だ。ここで以前から王さまよって重要な神事が行われきた。このお客さんは、沖縄に仕事でしばしば訪れ、このお店で斎場御獄のことを知った。一人で訪れ、その神々しさに心を打たれたんだよ、とスマホの壁紙にあった斎場御獄とその先にある島、常人は決して足を踏み入れられなかった聖地の写真を見せてくれた。
きみちゃんは野球選手もここを訪れてパワーを貰ったと教えてくれた。

昨日、いつものようにきみちゃんを訪れた。その前のセミナーで知り合った
方も誘って訪れたら、緊急事態宣言でどのお店も空いているのに、花じゅみだけは混んでいた。
すでにいた常連さんに席を譲ってもらい、いつものように山羊刺しやチイリチャー、ソーミンチャンプルー、そして絶対欠かせないヒージャー汁をいつものように、ふーちばと共にいただいていた。
すると、そのそのセミナーで知り合った彼は明日1日空いているという。そこで今日5時の飛行機で変える幹事をした人と合わせて3人で聖地巡礼をすることにした。

私は今日1日自由になる時間があるので、斎場御獄に行こうと心に決めていた。移動はどうしようじゃ、バスを調べていた。しかしこの緊急事態の中、バスの運行は定かではなく、バスの運行頻度も多くはなかった。いったい土地勘のない沖縄で、無事回れるか、そして夕方フライトのある彼の予定にあわせられるか不安になっていた

「レンタカー借りたほうが良いよ」ときよちゃんがアドバイスしてくれた。聞くと一人がタイムスのカーシェアリングのカードを持っているという。
なるほど、その手があったか。
彼によって、タイムスをつかって車を確保することができた。明日9時半出発。突然決まった聖地巡礼隊による1日の旅が始まった。

花じゅみは不思議なお店だった。私が羊や山羊が好きで泊まっている民泊の近くにあったため、ふらっと寄ったのがきっかけだった。山羊刺しにワインをあわせたいという野望を叶えたく、仲良くなってから山羊刺しを手搏場所に持ち帰ったら、なんと上着を忘れていた(笑)。それで上着を取りにもどる、ということから、行くと毎日通うようになっていた。
きよちゃんは琉球舞踊のお師匠さんでもあり、昼間はお弟子さんに教えながら、夜はこのお店を切り盛りしている。昔の知事が常連さんだったこともある、なぜか魅力的な人があつまるお店だった。

そこで会った人はなぜか凄い魅力的な人が多かった。大手企業のセキュリティの専門家だったり、製薬会社なのに学校で教育を行っていたり。そして一人のお客さんが対馬に行ったことをちらっと話してくれたことをきっかけに私は対馬に家族で行った。
一人のお客様とは東京で羊を食べようと会食をしたこともあった。様々な分野で日頃決して合うことがなかった人と触れ合えることはこのようなお店のとても魅力的なところだ。

3回4回と通っているうちに、素晴らしい人と出会う機会も増えたが、体調があまりかんばしくなかった。自分では自覚していなかったが、きよちゃんに「飲みすぎて疲れてるようだよ」と教えてもらいハブ酒特別にいただいたりもしていた。

たしかに疲れがあったようだ。昨年年末からお酒を飲むと不調になることが増えた。とくに腰痛がでるようになった。お酒を飲んだ次の日になると、日頃全く感じない腰痛を感じて、座っていられなくなるのだった。

これは腰の披露ではない。膵臓のあるコードでダメージを受けているのだ、と医者から教えてもらった。酒によって膵臓がダメージを受けていると臓器のある背中や腰が痛むのだ。そして膵臓のダメージは基本的に戻らない。悪くなることしかない臓器だ。膵臓は物言わぬ臓器だが、決して人工臓器に変わらない高度な機能を持つという。

そこで今年から酒を控えて無理をしないようにしていた。お酒がないと食事は物足りないものになるが、それでも基本飲まないことにした。妻の誕生日や親しい友人の会食で飲まないことは、少し申し訳ない気もしていたが、それでも自分を大事にすることを一番に考えて飲まないことにした。

飲まないことによって、お菓子を食べながら映画やゲームを見ることが増えてきた。いままで食と酒で費やした時間が、映画やゲームなどのエンターテイメントに時間を使うようになってきた。

私はもう散々美味しいものもお酒も飲んできた。一方で、映画や漫画やゲームなどのコンテンツと触れる時間は本当に取れなかった。人との交流で、これらの会食や交流は役立ったか、もうそこから次の自分になるためには、もっと魅力的なものをつくらなければならない。そこに時間を掛けるなら、実は膵臓や体のことだけではなく、自分のあるべき自分になるための時間の使い方として、禁酒したことはよかったのではないかと思うようになった。

そして斎場御獄に来た。沖縄の民にとっての聖地は、静かだった。いくつかの店はひらいいて、その1つにふと立ち寄ったら、斎場御獄でのパワーの受け取り方というようなお話を聞いた。手を開き、暖かさやピリピリとした刺激を感じる場所に行ったらエネルギーがもらえるよ、というような説明をうけた。たしかに場所によってそのような気を感じることもできた。

「私達が一番困るのはどこがパワースポットかという質問なのです。」斎場御獄の説明をする係員の方が別な観光客に話すのが聞こえてきた。
ここは特別な場所で誰も詳細なことがわからないぐらい古くから崇められてきた。そのような歴史と伝統のある特別な場所なので、そこでいい気をもらうというようなことで来るのは、その土地の文化と尊厳を認めた行為なのだろうか。
このような、本来よそ者が気軽に足を踏み入れてはいけないような聖地を、自分が幸運になりたいというようなことで訪れていいのだろうか、ということを話していた。

きよちゃんが言うにはこのお店には火の神が守ってくれているのだそうだ。
38年間この花じゅみを運営していて、月に2回台所の神棚を清めてきた。
「火の神様をそしてお客様が素敵なお店をまもっていいお客様を呼んでくださってる」のだそうだ。
その神棚は受験前の息子さんの合格をお祈りしたり、入札の落札を祈るお客様もいるのだそうだ。
今日、斎場御獄の報告をした後、20時を少し過ぎた私達は裏口からお店を出ることにした。カウンターに入り、台所に行くと、その神棚は会った。シンプルな神棚だが、たしかに、キレイに清められ、大事に祀っていることが分かる神棚だった。

私達はこの台所の神棚に手を合わせて、裏口から帰った。

斎場御獄

花じゅみ

作成者: ejtter

Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.

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