ウェブ解析士はじめて物語

ウェブ解析士をはじめて開催したときのことを伝えようと思う。

当時はJWDA日本ウェブデザイナーズ協会というところで理事をしてた。上級ウェブ解析士はすでに開催してたのだが、もっと基本的な講座をつくらなければならないと思っていたからだった。ウェブデザイナーでもGoogleアナリティクスも使えない人が多い。日本中の中小企業がウェブを事業の成果につなげるために、ウェブ解析をつかえる人材をどこでも育つようにしなければと思っていた。

でもJWDAもいろいろ大変だったので、2010年のころは理事長から頼まれてJWDAの中にウェブ解析&リサーチ委員会を新設しておこなっていた。まあこれでJWDAの認知度も上がればメリットもあるだろうと。

テキストの作成は、当時競合だったり同業だったりしている人と上級ウェブ解析士を学んでいた人にお願いした。パケットキャプチャーとかサーバログの解析ツールはみんな競合だった。しかし彼らに趣旨をつたえた。

「ウェブ解析を誰でも学べる教科書をつくりたい。だから申し訳ないけど無料で執筆をお願いしたい。そしてじゃんけんにしよう。お互い自分のツールが一番だとコンペでは言ってるだろうけど、テキストでは一長一短があるという言い方をしよう。」

こんな無茶なお願いに快く応じてくれた執筆者があつまった。あとは当時の株式会社環の社員にもお願いした。いまでもテキストの第一版執筆者として名前がのこってるはずだ。

わたしもパケットキャプチャーとかよくわからない。だから間違ってそうで、最初に試験問題をつくってもらったり、作った試験問題を見直してもらった。それから説明するためのテキストを執筆してもらった。試験問題が先にあると、テキストが安定することを偶然知った。

そして出版社にも声をかけた。しかし、どの出版社からも良い返事はいただけなかった。当時どこにもないノウハウや新しいテクニックなら出版の可能性があったが、私が目指してた教科書として普通に学ぶべきことを学べるウェブ解析やアクセス解析の本の需要を出版社は全く感じていなかった。

出版記念に割り勘で中華屋さんの2階で出版記念パーティーしたが、その時テキストを4000円で執筆者に買い取ってくれって言ったことは今での執筆者に言われる(笑)。でも当時売れる目処はまったくなく、すこしでも回収しようと必死だった。

JWDAは支援するお金がなかった、ないというよりウェブデザイナーズ検定が全く赤字で、CBTの試験費用の出費が重くて全く何もできる状態になかった。CBTの出費をウェブ解析士の方である程度負担できればJWDAの出血求められるだろう、ということでCBTをつかうことにした。そして出版の負担なんて全く無理だったので、私の会社で出版することにした。ウェブデザイナーズ検定のDTPの方にお願いし、できた原稿をPDFにするところまできた。

その前後ぐらいにJWDAに職業訓練校からの授業の依頼があった。理事が持ち回りでやっていたが正直、講師はやりたがらない役割で、不人気だった。モチベーションも年齢もバラバラで、とても教えにくいからだ。そこで職業訓練校の授業として私が講師をして、ウェブ解析の講座を開催することにした。1時間半✕4コマ。これが世界初のウェブ解析士講座である。

テキストは前日にできあがった。プリントアウトを夜中までやって、バインディングした。やってみたらプリンターで200ページすれば2000円。自費出版と変わらないコストがかかると気づいた(笑)。そして40人分つくってみたら、職業訓練校でテキスト代の話を受講生につたえてなかった。あのとき刷った40部は無料配布となった(泣)。

そして慌ててつくった1時間半の講座。関係者からはこれ受講生わかるのか?という話になった。200ページ教えても受講生は未経験者で意欲も低い。座学なんてしたら寝てしまう。そして私は座学で勉強するのは大嫌い。だったら演習問題だけにして、みんなに聞いてまわろうということになった。録画してその動画を、これから教えるウェブ解析士マスターに学んでもらおうということになった(ウェブ解析士の講座をする前にマスター講座を開催したのだが、マスタ講座Day2までウェブ解析士を教えてなかっったのでどんな講座になるか未定だった)。

動画撮影で注意がはいった。職業訓練校の生徒の個人情報が気になると。そこでチームにしてチーム名をつけてチームで考えてチームで答えてもらうことで回避した。これもその時の名残でずっと使うことになる。

参加した職業訓練校の生徒は本当にバラバラだった。40人ぐらいいたが、でも眠れない授業にはなった。チームで考えなきゃいけないし、先生は質問してくるし。そして関係者の心配をよそに、受講生は楽しんで学んでもらえる講座になった。でも10人ぐらいしか試験はまともに受けてもらえなかった、タダなのに。

でもその10名のうち2名は未経験なのに上級を受講し、マスターも受講してマスターにもなった。その1名はそのときのプレゼン技術をつかい、就職フェアでターゲットとした会社のプロジェクターをつかい逆プレゼンを行い、その上場企業の営業部長に抜擢された。

今や専門家ばかりウェブ解析士をとるようになっているけど、本当はだれもがウェブ解析ができるようにつくったものだった。そして最初の講座で人生をプラスにした人が現れた。やる価値があると手応えを感じられたあの当時の受講者全員に感謝したい。

やまもおちもないけど、6月9日ログの日に寄せて。

作成者: ejtter

Born in Fukushima, working as web analytics consultant since 2000.

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