2021年ウェブ解析士1-1書いてみた

2021年ウェブ解析士1-1書いてみた

どきどきする。

もう書かないって決めてたのに。今年のウェブ解析士のテキストは10年間と違うチャレンジをしている。言うならば「破」だ。日本で言われているデジタルマーケティングやウェブ解析の話をなぞるのがいままでのテキストだったが、その先を書いた。

これから言われること、いまは言われてないけど本質はここだと思うこと

を書いてみた。だから失敗や批判や言い過ぎがあるはず。そこで一旦ここに掲載。批判を浴びようと思う。

見どころはトリプルメディアを捨ててPESOにして、アフターデジタル、OMOを加えた。そしてカイゼン、リーン・スタートアップで日本の事例を加えたところ。日本人礼賛は最低だが、日本文化で役立つことは日本語で英語で紹介したいんだよ。この際は大事。

そして一緒にこのテキストのポリシーを育てたい方、一緒に良いテキスト書いていきたいので一声かけてくださいな。そして意見大歓迎。

# 1-1 ウェブ解析とは

ウェブ解析の役割とは、インターネットを通してデータの裏側にあるユーザの心理や行動の理解です。そしてウェブ解析の目的はインターネットを通して自社やクライアントの事業の成果(売上や利益)に貢献することです。数値を解析しただけでは不十分ですし、ウェブサイトや広告のだけが改善がゴールでもありません。

現在インターネット用いたマーケティングをデジタルマーケティングと呼びます。ウェブに限らず、スマートフォン(スマホ)アプリや店舗でのデジタルサイネージなど、さまざまな顧客との接点(タッチポイント)を活用して、顧客とより深い接点をつくり、事業の成果に貢献していくことが、すべての企業で求められています。

デジタルメディアはユーザーに最も身近なメディアとなりました。それにともない、取得できるデータ量も飛躍的に増大する一方、記録や連携におけるコストは、クラウドコンピューティングの台頭によって多くの中小企業でも活用できるようになりました。

デジタルマーケティングで成果をあげるためには「オウンドメディア(Owned Media)」(自社が運営するウェブサイトやアプリなどのメディア)を基軸として、「ペイドメディア(Paid Media)」(広告など有料のメディア)、「アーンドメディア(Earned Media)」(信頼を得るためのメディア)、「シェアドメディア(Shared Media)」(共有されるメディア)全般を俯瞰し、それらのメディアを統合して活用する戦略立案をする必要があります。これら頭文字から「PESOモデル」と呼びます。

PESOモデル

そして、デジタル化が進んだ現在は、その先のアフターデジタルあるいはOMO(Online Merges with Off line)と呼ぶオフラインがない、すべてがオンラインになった社会が全方位で進みつつあります。

その中では、いままでの商品を作り・売る「リアル」と、商品を宣伝し、価値を伝える「ネット」を融合していくことが求められています。リアルとデジタルの実店舗とウェブに区別を設けないオムニチャネルや、ブランドの立ち上げから購入までデジタルで付加価値をつけるD2Cなどもその動きの一つです。

既存事業もこの動きに適合させる必要もあり、事業のデジタル化にともなう抜本的な業務転換をDX(デジタルトランスフォーメーション)といいます。

一方で、ウェブ解析によって提供されるレポートはデータを元に、数字やグラフを使い根拠を示します。のデータは、数字として客観的に問題や改善点を示せるため、経営者や事業の担当者が納得できるメリットもあります。つまりウェブ解析は、経営者や事業の担当者にユーザーの思いや行動の重要性を伝える橋渡しの役割を果たします。

ユーザーの行動をデータで理解しマーケティングを改善する技術は、ウェブマーケティングの頃に使われたウェブ解析のデータを用いています。これからインターネットを使ったマーケティングは進化しますが、測定する定義は大きく変わりません。複式簿記が400年前から使われているのと同様、ウェブ解析は時代を経ても大きくは変化しません。だからウェブ解析を最初に学ぶと、改善した結果を客観的に判断することができます。

日本の製品の品質や安全性が高いのは、誰か優れた日本人の技術者や経営者によるものではありません。アメリカのデミング博士から学んだ品質管理方法に基づいたカイゼン活動によるものでした。そしてカイゼン活動は工場で働く生産現場の社員全員によって行われました。このボトムアップ活動が日本の安全と品質とコストダウンをもたらしました。そのカイゼン活動の指導者として有名な大野耐一氏のトヨタ生産手法は、海外で経営にも取り入れられ、そのリーン生産方式はリーン・スタートアップ成長理論でも多く引用されています。マーケティングにカイゼン活動を用いることがウェブ解析の本質にあります。